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  •        越川宗亮の提言
  • 日々「シンクロニシティ」について研究しています。そんな立場で特に関心をもち、
  • 注目している人物が三人います。
  • 一人は、米国タイム誌の「世界で最も影響ある100人」に選ばれた、
  • 「ときめきの片づけ」で知られる「近藤麻理恵さん」。

  • もう一人は、ウインブルドンテニス2連覇の「ジャコビッチ選手」。
  • そして最後に、芸人でありながら芥川賞作家となった、「又吉直樹さん」。
  • この三人についてフォーカスし、さまざまに情報を集めているところです。
  • その中で、今回の提言は「又吉直樹さん」を取り上げてみたいと思います。
  • 又吉直樹さんは今年七月十六日に発表された第百五十三回・芥川賞を、
  • 処女作「火花」で受賞しました。
  • この受賞で、お笑い芸人という以上に作家としての取材やテレビ出演の
  • オファーが極端に増えています。
  • 受賞時でのインタビューやテレビ番組での発言を聴いてみると、
  • 「作家・又吉直樹」の今日までの流れが垣間見えてきます。
  • 小説の魅力に気づいたのは中学の教科書に載っていた芥川龍之介「トロッコ」との
  • 出合いからと回想しています。
  • インタビューの端々で登場するのは、小説の主人公を自分に完全に置き換えながら、
  • 自分自身と向き合い、それを楽しんでいる感覚です。
  • 本と共に音楽への造詣も深く、独自の感性は日々練りに練ってきたものであることを
  • 感じさせられます。お笑い芸人として瞬間瞬間「ネタづくり」を意識し、昼夜模索し続けて
  • いる映像が流れています。言葉の端々から日夜考えていることは「人をいかに喜ばせるか」
  • ということ。ここにすべての視点を合わせ生活している感じです。
  • そんな中で、とくに思い入れの強いのが太宰治です。
  • 「火花」を読んでも明らかに文体が太宰の影響を色濃く受けています。
  • 携帯電話の待ち受け画面も太宰といい、今年の六月だけでも太宰の墓に三度お参りを
  • 重ねています。それは六月に、「桜桃忌(おうとうき)」を始めとした太宰に関わりの深い、
  • いわば記念日がたくさんあるからです。
  • また以前住んでいた三鷹の築六〇年にもなるアパート。後に自身で気づきますが
  • 太宰が以前住んでいた住所と同じとのこと。
  • おそらく、ただならぬ縁(えにし)を感じたのではないでしょうか。
  • 驚くことに太宰治「人間失格」は百回読んでいるといいます。
  • 主人公の社会への向き合い方と、自分の感覚が似ているとのこと。
  • 毎年、年初めには必ず「人間失格」を読んで一年を出発するのが習慣になっているようです。
  • 三色のラインマーカーを使い、線を引きながら読んでいるとのことですが、何度読んでも
  • 新たな発見があり、すでにすべての行間が三色のどれかで色づけされ、全ページが見事に
  • 塗られていると本人が語っています。ここで改めて強く感じたのは、ひとつの作品を
  • 深く読み込むことで、自分自身の心の軸ができ、そのうえ感性が驚くほど磨かれるという
  • 事実です。今日の「作家・又吉直樹」は極端な表現をあえてすれば「人間失格」を
  • 深く深く読み込んだことでつくられたといってもよいでしょう。
  • ぜひとも、この辺りは大いに参考にし、自分自身の感性を育ててみたいと思います。
  • 又吉さんは一九八〇年六月二日生まれ K25 赤い蛇 白い魔法使い 音12。
  • 行動様式に目を向けてみると、このキンナンバーの特色が実によく現れています。
  • 「音12」は人一倍「分かち合う」気持ちが強い傾向があります。二人の後輩芸人と同居し、
  • とっても慕われています。
  • また「赤い蛇」「白い魔法使い」とも体感型の紋章です。

  • 体験すること、肌身で感じることが感性をより豊かで鋭いものにしてくれるでしょう。
  • それゆえ「人間失格」を百回も読み込むということは、自分の体に太宰のリズムを刻み込むことに
  • なります。リズムが似てくると、起こる現象も当然似通ってくるのです。こと文学に関しては…。
  • もうひとつ注目したいのは、自分の中に類似キン(「赤い蛇」と「白い魔法使い」)を
  • もつ「ナルシスト」であるということです。
  • 根本的に自己肯定感があるため、苦しみや絶望に打ちのめされても立ち上がるパワーを秘めて
  • いるのです。うかれたり、調子に乗る事もなく、どっしり構えています。これも「音12」の
  • よい面が顔を出しています。さまざまな視点から鑑みて、又吉直樹さんの今後の活躍は
  • ずっと続くでしょう。これもしっかりした軸が定まっている事が大きく貢献しています。
  • 八月は一般的には盆休みもあります。深く深く本と向き合うと、人生が新たに開けてくるかも
  • 知れません。何しろ「本当の自分」は自分でも予測できないほどステキなのですから。

  • 「シンクロだより」2015.8月号掲載



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